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CS2用機関車画像の作成とCS2 toolsによるアップロード [メルクリン/鉄道模型]

CS2の操作(14)/ 機関車画像の取り込みと設定
CS2に取り込める画像は.pngファイルのみ。サイズは最大で128 x 48pixelで、かつ容量が最大6KBまでとなっている。容量の制限(6KB)は機関車カード(Lokkarte)の容量限界のためという。
アップデートの手順はいつもの通り、「setup」-> 「cs」画面で、USB-Stickにチェックを入れ、「Programm updaten」を触れる。するとアップデートが始まるが、ソフトウエアのアップデート程時間は掛からなかった。



CS2のバージョン3.6アップグレードは大幅に機能が拡張されたが、CS2の内部ファイルシステムもかなりの改変が行われたようで、以前Akiraさんのブログで解説されていたUSB経由の機関車画像取り込みができなくなってしまった。ファイルのディレクトリが変わったのだろうとフォルダの階層を変えたり色々やってみたのだが、今のところ打つ手なしのようだ。
そこで海外のフォーラムを見てみると、ネットワーク経由でのアップロードの方法があったので、機関車画像の作成方法のおさらいとともにやってみることにした。

1)機関車画像作成
ルールは、128x48ピクセル、6kb以内、png形式である。
CS2標準の機関車画像は、線路に乗った機関車の側面像で、背景が透明のもの。Faxに無料で付属してきたAdobe photoshop elementというソフトウェアでこのルールに従ったオリジナルの機関車画像を作成する。
まず、メーカーのホームページなどから拾ってきた画像(大抵は.jpg)を開く。
selecttoumei.png
そして選択ツールで背景の白い部分を選択→選択範囲を反転して機関車画像部分だけを選択コピー→クリップボードから新規作成し、背景が切り取られた(=透明な)機関車画像を作成する。
paste.png
画像が違うものだが気にしないでください。
次に、ファイルサイズの調整と.png形式への変換を行う。photoshop elementsには「web用に保存」というタブを実行するとファイル形式やサイズを調整する画面となる。
filesize.png
ここで形式を.png に、サイズを128x48に収まるように調整すると、ファイルサイズは大抵6Kb前後になる。あとは名前をつけて保存である。
Mallad.png
krukenberg.png

2)CS2 toolsによる画像のアップロード
まず、CS2がネットワーク内になければならない。私はコンバーターモードのある小型アクセスポイントを使ってCS2を無線LAN化している。アクセスポイントへの電源供給もCS2のUSBポートから行えるので至極便利であるが、時期CS2ではwifiかBluetoothが標準装備になると良いなぁ・・・

さて、ネットワーク上にCS2が参加できたら、setupタブでIPアドレスを調べ、同じネットワーク上にあるパソコンのウェブブラウザURLウインドウにそのIPアドレスを打ち込む。すると、CS2 tools という画面が出てくる。
CS2tools.png
色々なタブがあるが、その中のiconsタブをクリックする。
CS2toolsicons.png
すると、CS2に保存されている機関車の画像の一覧が出てくる。ちょっと感動。
そして一番下までスクロールすると・・・・
CS2upload.png
ありました!ファイル選択とドイツ語なのでよくわからないが多分「CS2へアップロード」と言っているボタンが・・・・!!
先ほど作成した機関車画像を選択し、「アップロード」(in die CS2 ubertragen)ボタンを押す!!(かなり興奮)
kanseigazou.png
やった〜〜〜〜〜〜!!!機関車画像の一覧にアップロードした画像が確認できればOKである。
なお、CS2は再起動しないとアップロードした画像が正しく表示されない。

3)CS2 スクリーンショット
この他、CS2toolsでは色々なファイルのやりとりができるようであるが、あまりイジると壊してしまいそう。比較的安全そうな機能はスクリーンショット機能である。
CS2screenshot.png


Serco Class 08 Diesel Electric Shunter / Hornby R3049 / OO 2R DC into HO 3R AC modification [メルクリン/鉄道模型]

最近はフツーのメルクリン製品だけでは飽きたらなくなって、他社の2線DC仕様のものを3線化改造することが多くなった。欧州の鉄道模型会社の多くは標準がDC仕様でも3線AC仕様を別に準備しているところが多く、元々センターシューを取り付けられるような構造になっているため改造が容易だが、HornbyなどはOOゲージでもあるし3線化を全く意識していないため改造出来るかどうか不安だった。先のMallard号では幸い動輪の間にギアボックスの蓋があり、その固定ネジを使ってシューを固定することが出来た。
今回の作例はMallard号と一緒に購入したSerco Class 08 入れ替え用ディーゼル ・エレクトリック機関車である。実機については全く知らなかったが、なかなかユニークな外観と塗装の派手さが気に入った。実機は1953-62年にかけて1000機以上生産され、現在も300機以上が運用されている、英国の鉄道において最もポピュラーな退避線用入換機とのことである。シングルキャブで大きなノーズの中に350馬力のディーゼルエンジンと発電機・制御機器などが収まっている。

購入したのはOOゲージ2線DC仕様、DCCready、Super detailと銘打ったもので価格は72ポンドであった。
IMG_1236a.jpg
タイガーストライプの警告カラーが良い。
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上周りはプラスチック製だが、Super Detailと銘打っているだけあって外観は細部まで精細な塗装と細かいパーツで作りこまれており、さらにあと付けのパイピング類が付属している。キャブ内にまで色差しがあり、またバッファーにはスプリングが仕込まれており実際に伸縮するなど芸が細かい。
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上周りを外すと、中にはフライホイール付きの缶モーター、ギアボックス、例によって8ピンのデコーダー端子(ジャンパーが刺されている)が入っており、デコーダーを刺すだけでDCC化出来るようになっている。DCCサウンド仕様もあるようだが、スピーカーを設置する場所はなさそうなので、おそらくサウンド仕様はキャブ部分のディティールを省略してスピーカー用スペースに当てているのだろうと推測。
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Mallardと同様ギアボックスは底面に蓋があり、この固定ネジの1本を流用してROCOの静音シューを取り付けた。
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センターシューの配線だが、シャーシには内部へ貫通する穴や隙間はなく、また上周りとの接合部にも隙間はないので、やむなく上周りの接合部まで引き回しプラスチックボディに穴を開けて中に引き入れた。
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そして右レールからの配線が接続されていたコネクタ部にハンダ付け、右レールは左レールと同じところにハンダ付けして3線仕様に変更。
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手持ちの8ピンデコーダーがなかったため、とりあえずジャンパを接続してDC電源を接続したメルクリンのCトラックで試走したところ、前進でボンネット側のエンド方向へ動いた。一瞬センターシューと左右レールの配線を逆にしてしまったかと思ったのだが、よく見るとキャブがある方が1エンドと書いてあるので、視界の良いキャブ側が前、エンジンを収めたボンネットがある方が後ろ、ということなのだろう。
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(こっちが前?)
カーブは最小回転半径438mm(Hornby TrackのR2とのこと)と書いてあるのだが、0-6-0の小さな動輪なのでもう少しは行けるだろうと期待している。
タグ:Hornby

流線型蒸機列伝9:LNER class A4 Mallard / Hornby 3173 [メルクリン/鉄道模型]

流線型蒸機といえば外すことのできない、速度記録保持機 Mallard号である。
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London and North Eastern Railway(LNER) Class A4
Nigel Gresley設計、初号機1935年建造 Mallardは1938年
車軸配置2'C1(4-6-2)、3気筒、動輪径2032mm
流線型のボディは空気抵抗を減少させるのみならず、先端付近に上昇気流を発生させ排煙を視界から除く効果があった。そのため本機には除煙板は装備されていない。
他の技術的特徴としてはKeychap double chimneyがある。これはフランス人技術者Andre Chapelon考案によるもので、煙突から火室煙と蒸気を効率よく排気するためノズルを組み合わせて排気流速を上げるように工夫したもののようだ。
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また、後述するが従輪はCartazzi wheelという特殊な構造となっている。
Mallard号(A4 4468)は1938年に202.8km/hの速度記録を達成した。これは1936年にドイツのBR05 002が記録した200.4km/hの記録を塗り替え、以降蒸気機関車による速度記録タイトルを保持している。設計者のGresleyは210km/hまではイケると考えていたようだが、第二次世界大戦の勃発とともに新たな記録への挑戦はお流れとなり、蒸気機関車時代は終焉を迎えてしまった。
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さて、この機関車、超有名と思われるのだがメルクリンからは模型化されていない。イギリスがドイツの仇敵でありBR05の速度記録を破ったライバルだからだろうか?そういえばメルクリンは他の英国型も見た覚えがないなぁ・・・英国では1/76のOOゲージが普及しており、1/87のHOゲージ模型のセールスが期待できないからかもしれない。(縮尺は異なっても軌間は同じ16.5mmなのでレールは共用できるのだが・・・)
というわけで、1/76 OOゲージのHornby製品である。
Hornbyの製品は中国で生産されている。シャーシは金属製でエンジンドライブ、上まわりはプラスチック製という構成。流線型フェアリングはネジ1本で外す事ができ、シャーシはカンモーターがウォームギアで3軸の動輪を駆動しているようだ。
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DCC readyとのことで、シャーシには8ピンのコネクタが装備されており、アナログ機の場合はジャンパが刺さっている。これに8ピンのデコーダーを挿せばデジタル化できるというわけである。
集電は動輪とテンダーの車輪からで、テンダーと本体の結合部には2系統の電気的道通が可能な接触端子が備えられており、テンダーからの集電を伝えるようになっている。
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3線化のため動輪部ギアボックス部のネジを利用してセンターシューを取り付ける。後ろに見えている従輪には首振り機構がない代わりにフランジがなく、カーブに追従しやすくしているようだが最小回転半径は438mmと大きめである。
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この首振りしない従輪は、模型の低コスト化のためかと思ったが、そうではなく"Cartazzi wheel"という、固定フレームで従輪が軸ごと左右に水平移動する実機の仕組みのようだ。模型ではフランジをなくすことで対処しているというわけ。
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テンダーを開けてみると、中にはモーターマウントらしきものがある。つまり以前はテンダードライブだったモデルのものをそのまま流用しているのだろう。
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このスペースにスピーカーを設置すればサウンド化も可能と思われるが、今回は簡単に普通のデコーダーのみ装着した。
試しにメルクリンR1=360mmのCトラックを走らせてみたが、先輪が脱線するためR1は無理のようだ。低速は非常に効き、モーターの動きも滑らかだが、動輪にトラクションタイヤがないので牽引力は期待できそうにない。
このMallard号、Hornbyのホームページから購入出来るのだが、速度記録75周年記念モデルとかで何故か少し安く販売している。83ポンド(ユーロではない)である。同型のClass A4が120ポンドくらいで、Cab内などにディティールの追加があるのかもしれない。
メルクリンなどに比べると廉価な印象であるが、前照灯や発煙などのファンクションもなく全体のディティールもあっさりとしているので妥当な価格設定と言えるのかもしれない。


流線型蒸機列伝8:BR01.10 / ROCO 68163 [メルクリン/鉄道模型]

ひっそりと?発売されていたROCOのBR01.10・・・
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車体色はグレー、車輪は赤でなかなかかっこ良い。流線型カバーは先輪部と従輪部に小さな切り欠きがある。
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テンダードライブ、車体(流線型カバー)はプラスチック製である。
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早速CS2で登録しようとすると、mfx自動認識が始まった。このROCO68163、3線式サウンドモデルなのだが、なんとLoksound m4デコーダーが装備されているらしい。

走行性能は、R1の通過はOKであるが、ポイント(メルクリンのCurved Turnout)で先輪が脱線することがわかった。

先輪台車の首振り機構に問題があるのかなぁ。
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南仏:ニース〜モナコ〜アンティーブ紀行 [旅行]

昨年秋に国内の学会からヨーロッパで国際学会があるというお知らせが来て、見てみるとフランスのニースであるとのこと。 ダメ元と思って抄録を送ってみたら、採用された。ヨーロッパを訪れるのは2001年3月以来の実に13年ぶりである。
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ニース・・・ってどこ? 南フランスの地中海沿岸にあることは分かったが、Webで調べてみるとコート・ダジュールやフレンチ・リビエラなどと呼ばれているらしい?
コート・ダジュールとは、Côte d’ Azur、Côteは「海岸」、Azurは「青」を意味するので、まぁ「紺碧海岸」という意味で、ニースを含む南フランスの地中海沿岸地域(西はトゥーロンから東はイタリア国境まで)の地域を指す。ニースの空港名にもなっている。
フレンチ・リビエラのRivieraとはイタリア語で「海岸」という意味であるが、南フランスからイタリアのサンレモあたりまでの広い沿岸地域に点在する保養地を指す言葉であり、そのフランス領部分が「French Riviera」となる。
ニースはこの地域を代表するビーチ・リゾートであり、ヨーロッパの人々にとってはメジャーな旅行先のようだ。ところが日本のガイドブックでは扱いが以外に少なく、日本人旅行者にとってはここが目的地というよりはリヨンとかアヴィニョンとかと共に南フランス周遊の立ち寄り都市・・といった感じなのだろうか。

さて、ニースに行ったらどこを見て回ったら良いか?
ニースの市街や紺碧海岸は1日あれば見て回れそうである。他の見どころなどについてもある程度下調べをしてみた。

1)モナコ公国
鉄道で20分くらい東へ行くとF1のモナコGPで有名な「モナコ公国」がある。モナコ公国はバチカン市国に次いで世界で2番めに小さい国で、前述のモナコGPのほか、モンテカルロ・ラリーの起点でもある。
「モンテ・カルロ」とは前述のモナコGPが行われる市街地を含むモナコ公国の中心地区の名称である。”Monte Carlo”の”Monte”は「山」、”Carlo”は「シャルル3世」を指すイタリア語で、シャルル3世とはそれまで他国の保護下にあったモナコ公国の独立を果たしたモナコ大公。港町であるものの平地が極端に少なく、山がすぐ背後に迫っているので「シャルル3世の山」なのだろう。

2)映画のロケ地
”French Riviera”との文字が出ていた映画があった・・・何だったか?。。と記憶をたどってみると、「グラン・ブルー」だった。確か、主人公ジャック(フランス人)の故郷との設定で、チリから帰国したジャックが水族館のプールでイルカと戯れるシーンだった・・と思う。どうやらこのイルカのプールはニースの西側にある隣街、アンティーブにある”Marineland”という施設らしい。

3)SNCF
鉄道マニアとしては、せっかくフランスに行くのだからフランス国鉄(SNCF)にも乗りたい。そこで、パリを経由してパリーニースはTGVで移動する、という計画を立ててみた・・・が、パリーニースはTGVでも5時間くらいかかるため、飛行機との接続と日程の関係でどうしても無理。そこで行きは日本ーアムステルダムーニース、帰りの便をニースーパリーアムステルダムー日本にして、帰りの便のうちニースーパリ間の航空便を使わず、前日にTGVでパリまで移動する、ということを画策した(これは13年前にスペインでやったのと同じ方法である)。航空券とニースでのホテル、TGVのチケットとパリでの宿まで手配したのだが、出発直前になって念のため・・・と問い合わせてみると「それはダメ」と言われてしまった。航空券の一区間でも乗らないとすべての区間がキャンセルになってしまう、とのこと。航空券を購入したHISやKLMなどにも頼んでみたが、やはりダメなので泣く泣くTGVでの移動はやめにした。TGVのチケット代、パリの宿ともキャンセルの連絡が遅すぎて払い戻しはなし、もったいないことをした・・・

4)ガリバルディとグリモルディ
これは行ってみてからあちこちで目にした名前。
a.「ガリバルディ」というのはニース市街の通りや、広場などに付けられていた名前である。どこかで聞いたことがあるぞ・・・
その1
ジオンの量産型モビルスーツ
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その2
イタリアの空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」
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その正体はイタリア王国の成立に貢献した軍人、ジュゼッペ・ガリバルディである。なぜイタリアの偉人の名前がニースの街に? 実は、彼はニース生まれなのである。イタリア統一前のニースはサルディニア王国に属していたが、サルディニア王家はオーストリアに対しイタリア独立戦争を行う際に隣国フランスに協力を求め、見返りにニースを割譲するという密約を交わした(プロンビエールの密約)。ガリバルディはイタリア統一にその生涯を捧げたのだが、生まれ故郷であるニースをフランスに割譲するというこの密約には後に激怒したと伝えられている。
・・・というわけで、イタリアの英雄ガリバルディの名は、その故郷でありイタリアの影響を色濃く残すニースでも親しまれているというわけである。

b.「グリモルディ」もどこかで聞いたような・・・
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「からくりサーカス」に登場した懸糸傀儡(操り人形型の兵器)。

その由来は、モナコの大公家。モナコ公国はグリモルディ家が世襲する大公を元首とする立憲君主制である。現在の君主、アルベール2世のフルネームは Albert Alexandre Louis Pierre Grimaldi、女優グレース・ケリーの夫として有名なレーニエ2世は Rainier Louis Henri Maxence Bertrand Grimaldi である。

・・・とこのように少しだけ予習して、福岡発アムステルダム行きKLMオランダ航空のボーイング777に乗り込んだのであった。

1日目
移動でほとんど費やした。
初日は夕方にニース着である。街に出てみると観光客らしき人でけっこう賑わっており、適当なレストランに入ってわかりやすいBeef Steakをいただいた。まずくはなかったが大味だった。
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さてこちらのレストランだが、イタリアが近いため?かPizzeriaが多い。が、販売は巨大なピザのホールで1枚12ユーロくらい、払えなくはないが一人ではとても食べきれないので遠慮しておいた。メニューを見てみると、先ほどのビフテキを含め、普通に食事をすると一品20ユーロくらい、それにワインやデザート追加、ということになる。観光地のためか、けっこう割高な印象である。安くすまそうと思えばハンバーガーやSubwayがあるが、コンビニはない。SubwayのBLTが3.5ユーロ、500mlのSoda類が2ユーロだったので、日本のSubwayの値段から換算すると、通貨価値として1ユーロ=100円くらいの感覚と思われる。この時の為替レートが1ユーロ=140円くらいだったので、やはり割高である。


2日目

学会はもう始まっていたが、専門分野のセッションがないので本日は観光に当てることとして、モナコとアンティーブを一気に廻ることにした。
ホテルにはビュッフェスタイルの朝食が付いていた。メニューは毎日変わりなくスクランブルエッグ、ソーセージ、ベーコン、マッシュルーム、それとクロワッサン、フランスパン、デニッシュ類。生ハムが美味しく食べ放題だったのでソレばっかり食べていた。
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さて、まずSNCFの近郊電車に乗ってモナコまで行く。
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Nice Ville駅。切符は自動販売機で買うのだが、フランス語表記でわけがわからない。英語表記にしたりすることは出来ないようで、困ってしまった。買っているひとの操作をジロジロ見て、なんとかモナコまでの切符を買うことに成功した。

駅の改札にはゲートのようなものはなく、切符に印字する改札機が設置しているだけである。だから切符を持ってなくてもホームには入れるし、出ていける。後でわかったのだが近郊電車では車掌による改札もない(多分TGV)は車掌が改札に来るのだろうが・・・)。タダ乗りが横行するのではないかと心配になるが・・・あとで乗ったトラムでも同じ状況だったがあまりタダ乗りしている人は見かけなかった。
Nice Villeの駅ホームは高さが路面電車のホームのように低く、車両も底床車両なのかと思ったが、そうではなく車両にはステップで登らなくてはならない。
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近郊用電車。2階建てのPowered railcar で”Z24500”型というらしい。
乗降ドアには押しボタンがあって乗客が自分で押して開けるようになっている。
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「ゲンコツ電気機関車」、”CL11500” 型と思われる。ヤードに停車していたが、後で客車を牽引して走っているのも見た。近郊用ではなく(TGV以外の)長距離用として使われているのだろうと推測。
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前からは撮れなかったがとても可愛いかったSNCFのおねえさん。
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乗れなかったTGV
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モナコのmonaco-monte-carlo駅は、岩山を半分くり抜いたような感じで、地下鉄駅のようである。ここのホームは普通の高さだった。
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市街に出てみると、観覧席らしいものが目に入った。なるほどF1GPの街だ。今季のF1モナコGPは1か月後の5月25日に予定されているので、その準備中というわけ。
まずはモナコ大公宮殿を目指す。
宮殿というよりは要塞のように見えるのだが、かつてイタリアのジェノバ共和国が建てた要塞の跡地に作られたらしい。
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宮殿前の広場には「ジェダイの騎士」のような銅像がある。これ、グリマルディ家の始祖、フランソワ(フランチェスコ)・グリマルディの銅像である。彼はかつてこの地にジェノバ共和国の要塞があった時代に、武器を隠し修道僧に変装して要塞に侵入し、占領したとのこと。それで修道僧の服の中に剣を隠し持っている様子が再現されている。
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宮殿の入り口には衛兵がいる。自動小銃(M16)を装備している。宮殿内を一般公開するシーズンもあるようだが、今回は入れなかった。
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宮殿前から見下ろすモンテカルロ地区は絶景である。F1コース、スポンサー名なども見て取れる。F1GP開催期間は、ほとんどホテルの予約が不可能になるらしい。
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宮殿の前には、城下町のような地区があり、多くの土産物屋やレストランが迷路のような町並みに所狭しと並んでいる。土産物屋をひやかしつつ、前もってしらべておいたレストラン、La Montgolfiere Henri Geraciを目指す。
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La Montgolfiere Henri Geraci「トリップアドバイザー」で高評価だったお店である。 店主夫婦が日本びいきで、日本語も少し話せるとのこと。フランスのレストランの多くはフランス語表記しかなく、どんな料理かわからずに注文することになるのでありがたい。
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ニョッキとマッシュルームの和え物、子ガモのソテーの2品を注文した。考えてみればフランスに来て初めてのフランス料理である。当然ながら味は極上であった。
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次に行ったのは海洋博物館。日本で天皇家が生物学の研究をしているように、海洋生物の研究に没頭し数々の発見をしたモナコ大公アルベール1世の命により1910年に建てられた。宮殿の断崖絶壁に建てられており、上層はアルベール1世のコレクション(海洋生物の標本や骨格、潜水具や船具など)、下層は水族館となっている。
「クストーの海底世界」とアクアラング発明で有名なジャック・イヴ・クストーが館長を務めたこともある。
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次はアンティーブにあるMarinelandを目指す。Marinelandの最寄り駅はBiotでありアンティーブの市街より1駅手前のようである。
Marinelandはイルカと、シャチのショーで有名らしい。到着時には16時を回っていたので、もう閉園かな・・と思ったが、まだ開いている。入ってみるとイルカのショーは終了していたが、シャチのショーは最後のものが17:45からあるとのこと。

シャチのショーまで、イルカのプールを見に行く。イルカたちはリラックスした様子で、トレーナーさんから餌をもらったりしていた。このプールが映画グラン・ブルーで出てきたプールなのかどうかは定かではない。帰国したらDVDを見なおしてみよう。

シャチのプールは野球のスタジアムのような感じで、巨大なプールは縁部分が透明になっており水中の姿も見えるように工夫されている。
やはりイルカに比べると巨大なシャチが、しかも5頭も同時に出演するショーは圧巻の迫力である。
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すっかり遅くなってしまったが、こちらは午後8時を過ぎてもまだ明るい。Biot駅は無人駅である。自動販売機で切符を購入し、電車を待っていると、突然TGVが通過した。

TGVは日本の新幹線のような専用線ではなく在来線を走る。それにしても通過駅でホームを減速することもなく通過するとは・・・・人身事故は起きないのだろうか?

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この日は遅くなったので、帰りにハンバーガースタンドで「Kebab」を買って食べた。
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「ケバブ」は「焼き肉」みたいなもので、串刺しにした肉を焼いた「シシュ・ケバブ」(シシカバブー)と、垂直の串に味付けした肉を串刺しにして積層し、回転させながらローストしたものを周辺部からそぎ落として食べる、「ドネルケバブ」がある。このスタンドでは「ドネルケバブ」を野菜と一緒に柔らかいタコス生地のようなもので包んだものを売っており、食べてみたら非常に美味かった。値段も5ユーロくらいで手頃である。


3日目
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学会会場に行ってレジストレーションとスライドの受付をした。会場はAcropolisという、コンベンションセンターである。発表は明日だが、学会の案内ホームページで会場の説明や地図などがなく、本当にここであるのか心配であったので、道順を確かめる意味もあり行ってみたのである。移動にはトラムを利用する。
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トラムは最新式のもので、Nice ville駅前から旧市街にかけて1本の路線のみが走っている。広島市電の新型車にも似た低床車で、パンタ給電であるが、景観保護のため旧市街に入る前にパンタを降ろし、蓄電池で走行するようになっている。
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また基本的にトラム路線は自動車が入れない専用道となっているようで、車道が横切る事はあっても車がトラムと並走することはない。
ところが車は並走しないが、トラム路線のすぐ脇は歩道となっているので、マセナ広場などでは歩道と線路の境界がなく、線路の上を普通に人が歩いている。トラムが来るとよけて歩く、というような状態だ。一見危ないようにも思えるのだが、皆平気そうである。
ヨーロッパの都市ではトラムが特別なものではなく、皆慣れているのだろうか? 

車道は比較的狭く、古い街であるためか一方通行が多い。路上駐車は合法のようで両脇にはびっしりと駐車されているが一方通行であるため1台分は通れるようになっておりあまりトラブルはなさそうだ。車は小型車が多かった。車種はルノー、シトロエン、VW、Smart、Miniなどの欧州車がやはり多く、日本車では日産の小型車を比較的多く見た。
バイクが多いのも特徴でBMWのGS、前輪が2輪の3輪スクーターも目についた。
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学会会場を確認し、しばらく聴講したあと、帰りに調べておいた模型店に行ってみた。ニース唯一のメルクリン販売店であったが、訪れてみると2線式がメインでJouefやTrixは比較的多く置いてあったがメルクリンのものは4桁品番の骨董品のほか少ししかなく、価格もそれほど安く思えなかったので何も買わずにお店を後にした。

ホテルに帰ってからは時差ボケもありバッタリと寝てしまった。起きたのは午後10時過ぎ。ハラが減ったが、コンビニは無かったしレストランももう開いてないだろうなと思いつつも街に出てみると、どの店も普通に開いていた。
昨日のKebabが美味しかったので、他の店で「シシュ・ケバブ」を食べることにした。
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店の名前は"Skender Kebab"という。旨かった。
4日目
口演の日である。小雨が降っていて薄暗い。午前9時からのセッションなので、朝食をいただいて最終リハーサルを行い、会場に向かう。特に問題なく口演終了。
当初の計画ではこの後TGVでパリまで行く予定だったのだが、予定変更したので午後は時間が余っている。
午後からはニースの市内を散歩するか、雨が止まなければホテルのSpaでマッサージを受けてみようと思っていたので、頼まれていた土産物を購入し一旦ホテルに戻った。Spaに電話してみると16:30からなら開いているとの返答。予約し、それまで市内を散歩することにした。
雨は一旦止んでいる。

まず、プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais=イギリス人の散歩道)と呼ばれる海岸通りに行ってみる。と、その日はマラソン大会が開催されていた。ほのぼのした雰囲気で、老若男女多くの人々が自分のペースで走っている。こういうのに参加するのも良いなぁ。

マラソンのゴール地点まで行くと、その先に城塞らしき建造物が見える。これは登ってみなければなるまい。
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「コリーヌ城跡」と呼ばれているローマ帝国時代の城跡で、現在は公園になっており、復元した城壁や城門の一部や展望台などがある。かなりの高台になるので、そこからニースの海岸線が一望でき、素晴らしい眺めである。
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またこの城の麓には城下町のように旧市街が広がっており、そちらの眺めも素晴らしい。
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小雨がぱらついてきたので、一旦下城し、旧市街に入る。すぐに広場(サレヤ広場)があり、市が立っている。 周囲にはレストランやカフェ。

旧市街は細い路地が張り巡らされ、パステルカラーの壁と石畳に囲まれた静かな空間で、「中世ヨーロッパの印象」そのものである。
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広場でかわいいおねえさんがいるジェラート屋があったので、クレープを食す。
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雨がけっこう降り始めたので、一旦ホテルに帰り、予約していたマッサージを受けることに。
泊まったのが"Splendid Hotel & Spa Nice"というホテルだったので、せっかくだからSpaも利用してみようと・・・マッサージはSwedish Massageとあるのでスウェーデン式・・・とのこと。良く映画で007が受けているアレだ。映画ならなぜかセクシーなマッサージ師(に変装した殺し屋だったりするが)が登場してその後は・・・という展開になる。
確かにほとんど全裸にされ、フランス人のマダムがマッサージしてくれて、眠るくらい気持ちよかったが別に特別なコトは起こらなかった(当たり前か)。

最後の夜は、アイルランドステーキなるものを食べてみたが、やはり肉は固く大味だった。
翌朝は9:30発のパリ行きに乗るようになっていたので、早朝からバスに乗って空港に行く。歩いていると空港行きの98番バスが見えたので慌てて乗り込んだが、切符を買う暇がなかった。で、この旅行中1回だけ無賃乗車してしまった(前に述べたように無賃乗車はやろうと思えば簡単にできる)が、最後にちょっとだけ後味の悪い思いをしてしまった。
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