SSブログ

日本の妖怪:山姥(やまんば)&二口女 [雑学]

yamannba.jpg

先日「おはなしでてこい」について書いたが、この中で「お天道さん金の鎖」という話があった。
調べてみるまで全く知らない話だったのだが、やまんばが出てくる話のなかでは定番のようである。
ラジオで聞いた大体の内容はこうである。
3人の兄弟がいた。父親は病気で亡くなってしまって母と4人暮らしである。ある日、母親が山の中にある父の墓参りに行くことになり、子供たちは家で待つことに。そこへ「山姥」が母親のふりをして家に入ろうとするが、がらがら声や、毛だらけの手足をみて子供たちは山姥と見破り家の戸を開けない。山姥は手足にそば粉を塗ったり、うがいをしたりして再びやってきて、とうとうダマされてしまった子供たちは山姥を家にいれてしまう。夜中に山姥の正体に気づいた子供たちは木の上に逃げ、「お天道さん助けて!金の鎖ー!!」と叫ぶと天から金の鎖が降りてきて、それにつかまって二人の兄弟は天に引き上げられ、お星様になる。追いかけてきた山姥もマネをして「お天道さん、金の鎖」と叫ぶと腐った縄が降りてきて、それにつかまった山姥は縄が切れて墜落死してしまう・・・・
という話だった。

子供たちは大好きな話で、私も面白い話だな・・・とは思ったのだが、待てよ・・・何かおかしいな・・・
疑問1)兄弟は3人だったはずだが・・・・?最後は二人になっている。
疑問2)山姥が家に入った時、なぜ兄弟たちはすぐに山姥と気付かなかったか?また、山姥もなぜすぐに子供たちを食べてしまわなかったのか?

そこには恐るべき内容が隠されていたのだった。
さて、このお話は佐野浅夫さんが朗読しているのだが、山姥が家に入ってきてからの部分をなるべく忠実に書き出してみよう。
・・・子供たちが戸を開けると、山姥はさあっと風のように入ってきてしまった・・・その夜、上の二人が目を覚ますと、隣のお母さんが寝ている部屋から何かコリコリ音がする。兄弟は「お母さん、何を食べとる?」と聞くと「瓜じゃ瓜じゃ」と返事。「いいな~オイラたちにもちょうだい」すると、隣の部屋からポーンと何か投げてきた。それを見ると、なんとそれはウリどころではなく、獣の骨だった。「隣の部屋にいるのは山姥だ!」ぎょっとした兄弟は、家から逃げ出した・・・

察しの良い方ならもうお分かりだろう。
末の子は山姥に食べられてしまったのだ。
これは明確な作者のいない民話なので原典というのはないが、調べてみると実際には以下のような内容であった。
・・・子供たちが戸を開けると、山姥が入ってきてしまった。もう薄暗くなっていたので、子供たちには山姥とはわからなかった。山姥は「末の子はどこだい?」と訪ね、「お乳をやらなきゃね」と言って末の子が寝ている奥の部屋に行って、末の子を食べてしまった。
・・・その夜、上の二人が目を覚ますと、隣のお母さんが寝ている部屋から何かコリコリ音がする。兄弟は「お母さん、何を食べとる?」と聞くと「瓜じゃ瓜じゃ」と返事。「いいな~オイラたちにもちょうだい」すると、隣の部屋からポーンと投げてきたものがある。それを見ると、なんとそれはウリどころではなく、末っ子の腕の骨だった。

すごい・・・まるでホラー映画である。顔も見えないくらい薄暗い山の民家、母親に化けた妖怪、人間の骨をかじる音、「瓜じゃ瓜じゃ」のくだり・・・
昔話には怖い話も多いが、ここまでストレートなものはあまりないのではないだろうか。最後には山姥は死んでしまうが、上の兄弟も「お星様になった」=死んでしまったと考えられ、ハッピーエンドとはいえない。
さすがにこのままの内容を放送するわけにもいかず、残酷描写をカットした結果、末っ子が行方不明になってしまったのだろう。
あと、お話でてこいでは触れられていなかった部分があり、それは山姥が最後に落ちたのはそば畑で、そばの根が山姥の血で赤く染まり、それ以来そばの根は赤くなった・・・・という内容。

お話でてこいの中にもう一つ山姥が登場する話がある。
futakuchionnna.jpg
一般的には「食わず女房」と呼ばれている話で、あるケチンボの男の家に「飯は食いませんから」と言って嫁入りした女が実は妖怪で、後頭部にもう一つの口を持っており、男が留守の間にこの第二の口からバクバク米を食っており、そのうち男も捕まえて食べようとする、というもの。
この妖怪は山姥の一種(変種?)とされ、「二口女(ふたくちおんな)」とも呼ばれる。やはり日本の定番の妖怪なんだそうだ。なにしろ髪を触手のように使い、後頭部の口から食べ物を摂取するというキョーレツな奴だから、映像化したらスゴイ事になりそうだな・・・

他にもヘンテコな妖怪はたくさんいる。おもしろいなあ。日本には昔からスゴイクリエイターが居たんだなーと感心するばかりである。

軍艦防波堤より遥か地中海マルタ島へ思いを馳せる [雑学]

最近スターフライヤーの機内誌で近くに「軍艦防波堤」なるものがあることを知った。
「軍艦防波堤」は北九州市若松区の港湾地区にあり、正式名称は「響灘沈艦護岸」というらしい。
廃籍となった駆逐艦を固定し防波堤として再利用したものである。先端から順に桃型駆逐艦「柳」、秋月型駆逐艦「涼月」、同「冬月」の3艦を沈底させ、約400mの防波堤が作られたのだが、現在は「冬月」「涼月」の部分までは埋め立て地区に埋没しており、船体が確認できるのは「柳」の部分だけである。
IMG_0431a.jpg
駆逐艦「柳」は竣工1917年というから、実に100年前の軍艦で、太平洋戦争ではなく第一次世界大戦に向けて急造された駆逐艦とのことである。当時日本は日英同盟に基づき連合国側についていたため、この「柳」を含む駆逐艦隊(第二特務艦隊)をはるばる地中海に派遣し、ドイツの潜水艦(Uボート)から輸送船を護衛する任務についたそうである。この任務でオーストリア・ハンガリー帝国軍のUボートと死闘を繰り広げ、犠牲になった日本人将兵の墓碑がマルタ島にあるそうだ。
IMG_0430a.jpg
「柳」は排水量755トンで、埋め立てられて船体が確認できない秋月型の2700トンに比べるとずいぶん小型の艦である。全長は85mしかなく、間近で見ても「思ったより小さいな」と感じた。艦上構造物はなく上部をスパッと切断されたようになっており、内部も船体周囲もコンクリートで固められている。錆びついてボロボロになっている部分もあるが、100年経ってもいまだに原型を留めている鋼鉄の船体は沈黙していても何かを語りかけてくるような気がする。夜中に来たら怖いだろうな・・・
IMG_0432a.jpg
船体の側面は外殻と内殻の二重構造になっているのがわかる。これは魚雷攻撃などに対するダメージコントロールのため?それとも普通の船も剛性確保のためこのような構造になっているのだろうか?
船体中央には箱型の水密隔壁?が確認できる。
IMG_0433a.jpg
後方から。ここは絶好の釣りスポットのようで、多くの釣人で賑わっていた。(というか軍艦を見に来たのは我々だけ)
この「柳」は「桃型駆逐艦」の「桃」「樫」「檜」に次ぐ4番艦で、1917年竣工、排水量755トン、全長88m、全幅7.7m、主要兵装は12cm単装砲3基、3連装魚雷発射管2基。第1次世界大戦を生きぬき、1940年に除籍、その後は佐世保で練習船として使用されたそうである。つまり太平洋戦争では実戦には参加していない。それにしても軍艦らしからぬ、可愛らしい名前である。タミヤのウオーターラインシリーズには・・・無かった。

埋め立て地区に埋没してしまっている「涼月」「冬月」は「秋月型駆逐艦」で、排水量2700トン、全長134m、全幅11.6mであるので先の「桃型」よりはかなり大型である。1番艦の「秋月」は1942年に竣工、同型艦は12隻が建造された。防空任務を主眼に設計されたのが特徴で、10cm高射砲を8門と広角機銃多数、それと電探(レーダー)を装備している。魚雷発射管は4連装のものが1基のみである。 潜水艦より航空機の脅威を排除することに主眼をおいた艦種で、その名は海上自衛隊の汎用護衛艦「あきづき」に引き継がれている。


おまけ 
「海へ伸びるレール」
IMG_0428a.jpg
北九州市は炭鉱と鉄鋼業の街で、産業遺構のようなものが多数ある。この海中に続いていくように見える朽ちたレールは若松区と戸畑区を結ぶ若戸大橋のたもとにあり、おそらく若松港が石炭積み出し港として栄えていたころのトロッコ用か、船の引き上げ用のレールと思われる。

何かに似てるような [雑学]

・・・・気がしてたんよね・・・
165199_b.jpg
DR 61 タンク機関車
車軸配置2'C2'h2(4-6-4T)
全長18.475m ゲージ1435mm
全備重量129.1t
動輪径2.3m

そうかコレか!
koenigstiger16.jpg

ケーニヒス・ティーゲル(王虎)
銀河帝国宇宙艦隊 旗艦級戦艦 
シュワルツ・ランツェンレイター(Schwarz Lanzenreiter、黒色槍騎兵艦隊)旗艦
全長815m
主要兵装 中性子ビーム砲 レールガン 
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト上級大将乗艦
「猪突猛進こそ我らが本領よ!敵にいかなる奇計奇策があろうとも、力で打ち破ってくれるわぁ!!」

RWBY Yellow [雑学]

最後の"Yellow"トレーラーが公開された。



4人目のキャラ、Yellowの名前はYang Xiao Longだそうである。
yen1.jpg
4人のなかで一番ボインちゃん。
yen2.jpg
顔のつくりはRubyにそっくりで、性格も似ているようだ。もしかしたら姉妹?
bike.jpg
冒頭でバイクに乗ってクラブに乗り付けるシーンがある。「シンデレラとカボチャの馬車」を連想するものもいる。
yen4.jpg
毎回凝った武具が登場するが、ヤンの武器は篭手(手甲)である。ブレスレット風のものが変形して「篭手」の形状となり、弾薬を装備して火薬の力によりパンチ力を増強したり、反動を利用して高速機動を行ったりするほか、実体弾を発射することも可能。
yen3.jpg
「前腕に火薬が仕込まれていてパンチ力を増す」機能の元ネタと考えられるのは、「装甲騎兵ボトムズ」の「アームパンチ」、「The ビッグオー」の「Sudden Impact」など。
enemy.jpg
今回は敵キャラに双子の姉妹が登場。これもシンデレラの意地悪姉さんから? 「マトリックス」の幽霊兄妹も連想するが・・・
yellow.jpg
これで4人出そろったわけだが、映像として順位をつけるなら
1位 Red
2位 White
3位 Yellow
4位 Black
かな・・・・キャラはWhiteが一番のお気に入りだが・・・
これからの展開はどうなるのだろう? 
「超造可動」でフィギュア作ってくれないかな・・・小道具はそれぞれの武器、おまけは狼男、巨人兵、クモ戦車、カボチャバイクでお願いします・・・



タグ:RWBY
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

RWBY Black 公開 [雑学]

RWBYシリーズの"Black"トレーラーが公開された。



当初6月と予告されていたが、3月22日のゲームショウか何かで公開され、その後Roosterteethのサイトに登録された。
で、内容であるが・・・
う〜ん・・・・
1)主役(であるはずの)Blakeの他に男性キャラ"Adam"が登場する。それなりにカッコいいキャラであるが、否定的な意見の多くは「誰だコイツ」というもの。ファンの多くは「女の子のバトルアクション」を見たいのであり、「男は要らん」というのが本音であろう。
2)Blakeの造形・コスチュームはこれまでの中で最もセクシーであり、それを評価する声もある。使用する武器は銃剣付きサブマシンガンにムチが付いたようなものを鎖鎌のように使う、独特でクールなものだが、Rubyの三日月鎌に比べるとインパクトに欠けるし、戦闘シーンにおいてBlakeは男性キャラのサポートに回ってしまっていて、目立たないのだ。
3)今回の舞台は列車上で、敵は多数のロボット兵と、巨大なクモのような「歩行戦車」である。「列車上でのロボット兵との戦闘」は完全に「Sucker Punch」のパクリだし、歩行戦車は「攻殻機動隊」のフチコマそのもののように見える。
4)主人公たちが喋る。大した事はしゃべっていないのだが、前の2作のようなミステリアスな雰囲気が感じられなくなってしまった。

前の2つのインパクトが強すぎたためか、個人的にはイマイチかな・・
ムチを使うことと、セクシーなキャラになることは予想どおりなんだけど、ムチから連想して猛獣使いのイメージで「式神を使う」とか、本人に変身能力(猛獣とか、吸血鬼とか?)があるとかを勝手に妄想していたんだけどね・・・

とはいえ、今回のトレーラーには今後の展開のヒントとなるものが多い。
ネットでは今回登場した赤毛の男性キャラAdamとRubyが兄妹なのではないかとか、舞台となった列車にWeissの「雪の紋章」が描かれていることなどが指摘されている。
月の浸食も進んでいるので、それぞれ時代が異なるのかもしれないが、雪の紋章の王国VS Ruby一族のような構図になるのかな?など、妄想は尽きない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

RWBY:武器としての大鎌について [雑学]

RWBY !!
モチーフは「赤ずきんちゃん」である。赤いマントを纏った可憐な少女が、対戦車ライフルと死神の持っている大鎌をミックスしたような武具「Crescent Rose」を駆使して人狼をバッタバッタと倒していく。

RWBYのRedトレーラーであるが、これほどスタイリッシュな映像に仕上がっているミソはRubyの操る武具「クレッシェント・ローズ」(三日月のバラ)であろう。
CR.jpg
Crescent Rose


Rubyの腰につり下げられた形で携帯しており、もともとポーチ程度の大きさのものがありえないほど伸長変形してまずアサルトライフルサイズの「ガンモード」となり、さらにその後伸長し刃の部分を展開し3メートルはあろうかという「大鎌」型に変形する。
Red9.jpg
「ガンモード」のCrescent Rose

その外形は死神の持っている大鎌をイメージしていると見られ、Rubyのコスチュームも黒衣、(色は赤だが)フード付きのマントであり(赤ずきんとともに)やはり死神をイメージしていることが判る。「大鎌モード」でも弾丸の発射は可能で、鎌の刃部分をその反動を移用して鎌の刃部分をバイポッド代わりに地面に突き刺し、対戦車ライフルサイズとなった本体から連続発射する描写(操作はボルトアクション)がみられる。さらにその強烈な反動を、鎌を振り抜く操作やRuby自身の立体的な機動に利用している点が面白く、ユニークである。

さて、この大鎌であるが、実際のところ武器としてはどうなんだろう。
Scythe_user.png
Wikiをみると死神の絵によく書かれている大鎌はScythe(サイズ)と呼ばれる草刈り用の農機具である。日本でよく見る柄の短いものとは違い、立ったままの姿勢で足元の草を刈るためのものである。死神が良く持っているのは、「生命を刈り取るもの」のイメージから来たもののようだ。他に東欧の風習で死者が蘇ってこないように埋葬する時に首の前に鎌を置いた(起き上がると首が切れてしまうように)ことから由来するという説もある。
武器として使用することを考えた場合、通常の鎌は刃が操作者の方を向いているため、突く・切り払うといった攻撃が出来ないこと、突き刺したり、刃で切り裂くためには刃の内側まで敵を入れるくらい接近しないと攻撃できないことからほとんど役に立たないと考えられる。

歴史的にはこの点を考慮し、剣などの武器を持てない農民が一揆や反乱を起こす際に、長大な柄の先端に直角に短い刃を付けたものや、長刀のように柄の延長線上に刃先が向かうように改良された戦闘用の鎌(War Scythe)が使用された。
399px-Polish_scythemen_1863.PNG
Rubyのトレーラー終盤で、Crescent Roseの銃口を背後に向け、強壮弾を連続発射することによる反動で高速移動する必殺技が披露されるが、その中で鎌の刃部分が可動して角度が開き、War Scythe様の形状に変形している描写がある。
CR2.jpg
CR3.jpg
よく見ると戦闘中も形状がWar Scythe様に変形している。

史実はともかく、フィクションにおける大鎌はどうだろう。
マンガでは、藤田和日郎氏の代表作、「うしおととら」、「からくりサーカス」に武器としての大鎌が登場する。「うしお」では人造人間(ホムンクルス)のキャラクター、キリオが使う武法具「エレザールの鎌」が登場する。小柄な少年として描かれるキリオと長大な大鎌のアンバランスさはRubyとCrescent Roseを彷彿とさせる。「エレザールの鎌」にはCrescent Roseのように使用者の力を増幅する仕組みはなく、単なる大鎌として描かれる(ただし両刃のようで押し切ることも出来るようである)。主人公の使う「獣の槍」と同様、刃に「法力」を増幅させて妖怪を切る力が与えられているのみで破壊力は基本的に「法力僧」であるキリオの能力によるもの。
エレザール.jpg
キリオと九印。
キリオにせよ「エレザールの鎌」にせよ、白面が敵対する勢力を分裂させようとして仕掛けた陰謀なのだが、それを知ったキリオが絶望から立ち直り、終盤では対白面の戦いで重要な役割を果たすようになるくだりは中盤の盛り上げどころである。

「からくりサーカス」に登場する大鎌は、主人公であるマサルが操るマリオネット、「ジャック・オー・ランターンが使用する武器で、「グリム・リーパー」と名付けられている。Grim Reaperとは死神に当たる言葉で、Reaperは鎌の意である。こちらの大鎌は柄の端にホウキがついており、回転させながら飛行することが出来る。
グリム.jpg
IMG_1583a.jpg
エアレーサー“GrimReaper" の機首に描かれた大鎌を持つ死神

実写映画で大鎌が登場したのは、Interview with the Vampireの終盤で、主人公ルイが吸血鬼たちに復讐するシーン。普通の伝統的な形状の大鎌であるが、吸血鬼の超人的なスピードとパワーで胴体をまっ二つにする描写がある。
Scythe.jpg

思いつくのはこれくらいであるが、死神を連想させる小道具として分りやすく、他にも色々ありそうだ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

RWBY !! [雑学]

ネットをフラフラしていて、面白い動画を見つけた。
米国のRooster Teeth Productionというところが企画している謎のプロジェクト、RWBYのトレーラーである。RWBYはRed, White, Black, Yellowの略で、それぞれの色をイメージカラーとしたキャラクターが登場するようで、現在RedのRuby, WhiteのWeissという二人のトレーラーが公開されている。驚いたのはジャパニーズアニメテイスト満載のこの動画が米国で作られていること。美少女バトルアクションアニメなど日本でしか作られないと思っていた・・・制作したアニメーターはMonty Oumという謎の人物なのだが、国籍はアメリカ人である。Wikiで写真を見るとアジア系にも見えるが日系人なのだろうか?

まずは最初に公開されたRed。



モチーフは「赤ずきんちゃん」である。赤いマントを纏った可憐な少女が、対戦車ライフルと死神の持っている大鎌をミックスしたような武具「Crescent Rose」を駆使して人狼をバッタバッタと倒していく。痛快!!
Rubyの主題歌「Red like Roses」はiTunesストアで公開されている。
Red.jpg
キャラクターの造形はモロにジャパニーズテイスト。
Red6.jpg
余裕の表情がカッコイイ
Red3.jpg
赤いマントの中は何となくミリタリー風のコスチューム。アクションはアーケード格闘ゲームや映画マトリックスシリーズなどの影響を受けているようである。
Red8.jpg
Red10.jpg
満月を背に。飛び散る血はバラの花びらに。
Red9.jpg
動きや構図・作画ともモロにジャパニーズテイスト。
Red11.jpg
Red12.jpg
人狼を相手に殺戮しまくる。腰には十字架と予備の弾倉・弾薬(相手が人狼だけに銀の弾丸か?)


次はWhite。

こちらは「白雪姫」がテーマである。主題歌?も「Mirror, mirror」。
White11.jpg
余裕の笑みまで浮かべていたRubyと違って高貴でシリアスな表情の少女Weiss。
Weissの主題歌「Mirror Mirror」もiTunesストアで公開されている。
White3.jpg
レイピアと柄部分に仕込まれているリボルバー風のパーツにより発動する魔法を駆使して巨大な甲冑騎士と戦う。リボルバー部分が回転して種々の属性の魔法が使える模様。
White.jpg
White8.jpg
空中に足場を作れる移動系の魔法。
White10.jpg
Rubyの棒術風の動きとは異なり、Weissのアクションはフィギュアスケートのような、ハイスピードで優雅なもの。
White12.jpg
この動画をみて思い浮かべるのは、「ナウシカ」の原作マンガ冒頭で、トルメキアの装甲兵との戦闘シーン。また最近ではアメリカ映画Sucker Punch(日本語訳のワケがわからん題名「エンジェルウォーズ」は書くのもイヤ)で日本の武士風甲冑巨大ロボを相手にセーラー服少女が日本刀で戦う、というのもあった。でもやっぱりこういうファンタジー的なシチュエーションには実写はどうもね・・
RWBY.jpg
さて、これまで二つのキャラクターが公開されている。7月のゲームショウで3人目のBlackが公開されるらしい。待ちきれない思いだが、どんなキャラなのか?武器は?とシルエットから想像するのもまた楽しい。
それにしてもどのような企画なのだろう?長編映画で劇場公開?はなさそう?Webで公開するスタイルなのか、それともこのキャラクターが登場するゲームが発売されるのかな? 個人的にはトレーラーのゲーム画面的な3DCGに独特の魅力があるので下手に精細なディティールがないほうが良いように思うが、どうなるんだろう。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:アニメ

トビウオ、グライダー、地中海の怪物、クサヤ、対艦ミサイル [雑学]

今住んでいるK市の空港は、沖合の埋め立て島にあり、空港バスは対岸から空港用の橋を通っていく。
先日東京に出張した際、何気なくバスから海を見ていると、魚がはねた。かなり遠くからハッキリ見えたので相当に大きな魚だろう。ことによるとイルカの類いかもしれない。

トビウオ
tobiuo.jpg
はねる魚と言えば、トビウオである。はねると言うより滑空、飛行すると言ったほうが良いかもしれない。私は以前ウィンドサーフィン中に突然足元からトビウオが飛び出し、ボードを追い越して海面すれすれを延々と飛翔するのを見たことがある。その時は私もフルプレーニング中であったので、相当なスピードだったと思われるのだが、少なくとも十数秒、距離にして100mくらいは(時々水面をはたくように見えた)滑空していた。(調べてみると1回につき300mくらい滑空するらしい。記録された最長の飛翔時間は45秒というのがある。)イルカのジャンプのようにピョンとはねるのをイメージしていた私は、あまりに華麗な飛行ぶりに脱帽したものである。
トビウオが空中に飛び出すのは他の捕食者から逃れるためらしいが、水中の世界しか知らない捕食者から見れば、一瞬にして異次元空間へ消えたように思えるだろう。

地面効果と翼端渦流
vortex.jpg
トビウオがあんなにも華麗に飛翔するのは、地面効果のおかげである。
飛行機の主翼には翼端に発生する翼端渦流(wingtip vortex)という渦を巻いたような空気の流れがあり、この渦流が1周まわって主翼を上から押さえつけるような作用を及ぼし、揚力の抵抗となってしまう。(この翼端渦流を抑制するために、旅客機の翼端にはウイングレットと呼ばれる小翼が備えつけられていたりする。)
winglet.jpg
ウイングレットの一例。このような小改造だけで燃費が向上するらしい。
IMG_0340a.jpg
ラジコングライダーにも滞空性能を重視したものの中にはウィングレットが付いているものがある。

地面効果とは、地面や水面すれすれを飛行すると、この翼端渦流が地面で遮られるため、翼の上面に回り込めず、従って効率的な揚力を維持出来る・・・ということのようである。翼幅の半分より高度が低い状態で効果が表れるそうで、ラジコンでもアスペクト比の大きなF3Bグライダーを飛ばしていると実感出来る。
IMG_1189a.jpg
着陸のため高度を下げてきても、地面近くでなかなか降りてこなくなりオーバーラン、ということになる。このため模型グライダーでもフラップやエアブレーキといった揚力調整装置を使いこなさないと定点に着陸させるのは難しい。

トビウオが航空力学を理解しているかどうか不明だが、飛行に適化したその体は流麗で美しい。

カスピ海の怪物
images.jpeg
地面効果を利用した乗り物がある。地面効果翼機と呼ばれるもので、冷戦下の旧ソ連で極秘に研究開発されていた。海上で離水し、地面効果を利用しながら水面すれすれを高速移動するものである。ソ連ではエクラノプランと呼ばれていたが、航空機とも船舶とも飛行艇とも異なる、その非常に奇異な形状を偵察衛星で確認した西側は、「カスピ海の怪物」と呼んだそうである。

EXOCET
地面効果とはあまり関係ないが、フォークランド紛争で有名になった対艦ミサイルのEXOCET(エグゾセ)はフランス語でトビウオのことである。「電波高度計により飛行高度を3mまで下げて海面上を這うようにして目標に接近する、”シー・スキミング(超低空海面追随飛行)”が可能な、”シー・スキマー”タイプの対艦ミサイル」とのことで、妥当なネーミングといえるだろう。

クサヤ
P1010952a.jpg
トビウオは九州近海で良く取れ、旬は初夏〜夏、地元では「アゴ」の別名で親しまれている。「アゴだし」と称してだしをとったり、竹輪など練り物のイメージが強いが刺身も美味しく、トビウオの卵はトビッコと呼ばれ、回転すしでも良く見かける。新島や八丈島では「クサヤ」に加工されるそうだ。
「クサヤ」はまだ食べたことは無いのだが、その強烈な臭いで有名だ。臭さの測定単位にアラバスター単位(Au)というものがあり、クサヤは1267Auだそうだ。日本ではダントツ1位の臭さであるが、諸外国にはまだ上があり、スウェーデンのシュールストレミングというニシンの缶詰は何と8070Au!文句なしの世界ナンバーワンである。通常の缶詰と違い、発酵中のものを殺菌せずに缶詰してしまうため、発酵が続いており、「缶詰が膨らんだくらいが食べ頃」ならしい。開封する際に缶内で発生したガスによって汁が勢いよく飛び出すので、屋外(噴出を抑えるため水中も含む)で開けることが推奨されている(笑)こんなものを食べたがる人がいるのが不思議であるが、日本に輸入もされているらしい。ただし、航空機内では缶詰が破裂して周囲に臭気が飛び散るおそれがあるため持ち込みが禁止されており、日本に輸入するには船便で運ぶしかないそうだ。
・・・臭気指数(Au)だが、食品業用に測定する器具が国内でも販売されている。(ただし測定上限が2000Auまで。)

さとり:日本の妖怪 [雑学]

SekienSatori.jpg
ー覚(さとり)は、飛騨や美濃(現在の岐阜県)の山奥に住むと言われている妖怪。人の心を見透かす妖怪として知られる。
・・・私はテレビをほとんど見ない。面白くないからだ。どこのチャンネルを回しても、自称「芸人」やタレントのない「タレント」たちがしゃしゃり出てきて、温泉で「美味しい」を連発したり、キャンプやサバイバルのまねごとをやったり、下らぬクイズで見当外れなコメントを連発したり、単に内輪でしゃべっているのを延々と放送したり・・・見ていても苛つくだけの、手抜き番組が多すぎる。
3歳の息子が最近良くしゃべるようになり、保育園の友達から色々な言葉や情報を仕入れてくる。その中で、「シンケンジャー」というのがあった。正確には「侍戦隊シンケンジャー」である。「秘密戦隊ゴレンジャー」に始まる「スーパー戦隊シリーズ」で、何とシリーズ第33作目なんだそうだ。第7作にあたる「科学戦隊ダイナマン」くらいまでは見ていたのだが・・・どうせ子供向け番組、どれも似たようなもんだろう、手抜きで同じような怪人やロボットが出てきて適当に戦っておしまいなんだろ・・・と思いつつも子供に付き合って「侍戦隊シンケンジャー」を見てみると・・・これが意外に面白い、というか、「手抜きが無く丁寧に作っている」のである。
シンケンジャー.jpg
タイトルから分かるように「武士道」「和の心」がテーマの独特な世界観が特徴で、教育という観点からか?「文字の力」や「漢字」も重要な要素になっている。悪者(敵)は「外道衆」と呼ばれ、幹部クラスの「外道衆」は七福神を不気味にアレンジしたもので、「三途の川に浮かぶ宝船」に乗っている。多分「宝船に乗った不気味な七福神」の元ネタは、異世界・妖怪漫画の第一人者である諸星大二郎氏の作品「六福神」だろう。
ろくふくじん.jpg
各エピソードに登場する「外道衆」たちも、日本古来に伝わる妖怪がモチーフになっている。第6話「悪口王」に登場する外道衆「ズボシメシ」は、人の心を読む能力があり、気にしていることを言葉にして発するとその人に大きなダメージを(劇中では何十メートルも吹っ飛んだり、壁にめり込んだりする)与えることが出来る。放った悪口は「デブ」「穀潰し」「プチ整形」「全員失格」「落ちこぼれ」「嘘つき」「ファザコン」「一生独身」等々・・・・結構笑える。シンケンジャーのメンバーもこの技でダメージを受け、次々にやられていくのだが、中に一人、天然キャラのメンバーがいて、いくら悪口を言われてもビクともしない、というオチ。
この外道衆のモチーフになった妖怪が「覚」(さとり)である。Wikiによると、さとりは、人の姿をとるが本当は実体が無い妖怪だとか、大きなサルの姿で二足歩行する妖怪だとかいわれる。山道を歩いている時、または山中で休憩しているときに出会うとされる。こちらの思っていること全てを見透かし、こちらが口に出すよりも早くそれらをしゃべるという。こちらが何も考えないでいると退屈して消えるとか、何も考えない人間に恐れをなしてにげるとか、苦しみもがいて死ぬといわれている。山小屋にいる人のもとに現れて心を読み取り、隙あらば取って食おうとするともいい、偶然から物が覚にぶつかったりすると、予期せぬことが起きたことを恐れて逃げて行くという。
うしお.jpg
少年漫画の名作「うしおととら」(藤田 和日郎)にもこの「さとり」が登場する。飛行機事故でたった一人生存した子供の元に、山の中で静かに暮らしていたさとりが現れる。さとりは、子供の心を読み、「草木や動物に比べて、何て沢山のことを考え、感じるんだろう!」と感動し、すっかり子供の事が好きになってしまう。子供はやがて救出されるが、事故の影響で失明しており、さとりは目を治してあげたい一心で、夜な夜な出会った犠牲者の目をえぐり取る妖怪と化す。主人公の「うしお」はこのさとりと戦うことになるのだが、繰り出す技や動きをすべて見透かされるので苦戦する。さらにさとりの優しい本心を知って・・・・というストーリー。
シンケンジャーに話を戻そう。この「ズボシメシ」の他、色々な妖怪の姿や特徴を元ネタにした怪人が各話に登場し、その造形も(子供向けとは思えないほど不気味で)手抜き無く製作されている。最後は怪人が巨大化し、巨大ロボットが合体して必殺技で倒す・・・というお決まりのパターンなのには変わりないのだが、その限られたパターンの中にいろいろな要素を突っ込んで退屈しないように・・・そしておそらくオトナが見ても楽しめるように・・・という制作者の意気込みが感じられるのだ。というより制作者自身が楽しんで作っているのか。
結果このように手の込んだ、楽しめる作品に仕上がっている。大人向けでこんなに丁寧に作られているTV番組があるだろうか? 
子供向け番組は多くの場合、玩具メーカーがスポンサーである。番組の人気度がキャラクター製品の売り上げ収入に直結するため、何が何でも面白くしなければならない、という危機感があるのかもしれない。それに比べて大人向けのTV番組はどうも気合いが足りないというか、「面白いモノを作ろう」という気持ちが伝わってこないのだ・・・
べた褒めしてしまったが、実は「侍戦隊シンケンジャー」は先日放送終了してしまった。今はシリーズ34作目の「ゴセイジャー」を放送しているが、Youtubeなどで古い番組を見ることが出来る。有り難いものだ。さて、このスーパー戦隊シリーズはアメリカでも人気で「パワーレンジャーシリーズ」としてドラマパートを現地俳優で撮り直すなどのローカライズを施され放送されてきたが、この「シンケンジャー」は漢字や日本古来のものがテーマとあって、翻訳しにくいためかローカライズされなかったようだ。それでもyoutubeなどでは英語字幕付きのものがアップされていたり、やはり良いモノはそれなりに評価されているのだろう。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。