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ICE 3 DB / PIKO 57305 [メルクリン/鉄道模型]

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PIKO社の製品が続くが、今回はICE3である。4両セットで130ユーロくらいとこれまた廉価なHOBBYシリーズなのだが、なかなか良く出来ているので紹介したい。
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ICE3は各社がモデル化している。高級品はメルクリン、フライシュマン、廉価版はPIKO社とMehano社のものがあったが、mehano社は倒産してしまった。
mehano製の製品ではThalysを所有しているが、3線仕様ではあるもののデコーダーが初期不良であったり、2線アナログでは機能する赤色尾灯が3線仕様では機能しなかったり、イマイチな印象があった。勝手に同価格帯のPIKO製も似たものだろうと思い込んでいたが、なかなかどうして気合いの入った製品であることがわかった。
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PIKO社のICEは、動力車が先頭車両ではなく食堂車(Boardbistro)に設定されている。国産N
ゲージ新幹線のようだ。この方式で問題となるのは、先頭車両の前照灯・尾灯である。2線式アナログならダイオードを利用して前照灯と尾灯を切り替えればよいのだが、2線式にせよ3線式にせよ交流デジタル化すればデコーダーによる制御が必要になってしまう。KATOのNゲージなどでDCC改造する場合はそれぞれの先頭車両に前照灯制御用のファンクションデコーダーを積むようになっている。そうするとデコーダーが3個も必要になってしまい、コストが高くついてしまう。どうするか?
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PIKO社のICEでは、デコーダーは動力車である食堂車に設置され、全ての車両にコネクタと配線が設置されて食堂車のデコーダーから先頭・最後尾車両の前照灯・尾灯の制御を行っている。全ての中間車に配線を通し連結器にコネクタを設置するのは大変と思うが、これにはもう一つ理由がある。
3線デジタルの魅力の一つに信号機やブレーキングモジュールを使用した閉塞運転による自動制御がある。これはレールの両端を絶縁した区画を設定し、車両が侵入した際に車軸で両端のレールをショートさせることにより車両の進入を感知、センターレールの電流を直流に変えて自動停止させる仕組みであるが、進行方向側の先頭車に集電シューがついていないと集電シューが付いている車両が閉塞区画に来るまで停止せずオーバーランしてしまう。PIKO社のICEでは両側の先頭車に集電シューを設置し、進行方向により集電シューを切り替える方式を取っている。つまり先頭車から食堂車まで電源供給をする配線を通す必要があった、ということである。
デジタル化を前提に非常に優れた設計であることが判る。PIKO社スゴイ!・・・と思ってしまうが、実はコレ、メルクリンのコピーである。メルクリン製ICE3と同じ方式であるばかりでなく、実は車両間コネクタの形状も全く同じらしい。メルクリン製の車両と接続することも出来るとか・・・・不正にコピーされたのか、一時は訴訟問題に発展したそうである。
せっかく配線が通っているので、メルクリン製では室内照明が標準装備されているが、さすがにコストが高くつくのだろう、PIKO製ではインテリアの表現はされているものの室内灯の装備はない。
食堂車にモーターを設置したのは、窓が少なく内部構造が目立たないためだと思われる。
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デコーダーは、サウンド化が容易な8ピンか21ピンのものを期待していたが、おそらく集電シュー切り替え機能のためか、専用基盤になっている。
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製品では屋根上のアンテナが後付けパーツとして付属する。
外観のディティール、サウンド、室内灯などに違いはあるが、メルクリン製では400ユーロは下らない4両セットが、三分の一程度で手に入る。コピー商品と考えると複雑な気持ちにもなるが、HOデジタルを気軽に楽しむには良いモデルと思う。

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