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FOX狂想曲 / MDM-FOX [RC/飛行機]

RC飛行機を飛ばしに行けなくなって久しいが、今回は最後に製作したスケールグライダー、MDM-1 FOX について書こう。
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実機はポーランドMDM社製のアクロバットグライダーで、中翼・複座・コンベンショナルな尾翼を持つ。前作Swift S1を発展させて設計された機体で、1993年に初飛行した。極限までのアクロバティック性能を追求され、一人乗りで+9/-6G, 二人乗りで+7/-5Gの荷重に耐える。(戦闘機並みである。)
外見もジェット戦闘機のようなノーズ、短い全長(7.38m)、後退角の鋭い垂直尾翼、主翼は中翼で上反角がほとんど無く前縁はほぼ直線、後縁は前進している。主翼長は14m, 翼面積12.3m2、一度見たら忘れることの出来ないカッコ良さだ。

当然RCグライダーをはじめた頃から知っていたのだが、スロープ先輩諸氏は異口同音に「FOXは難しいぞ」と言われる。そして手頃なサイズの機体が入手困難だったこともあり、最近まで手にすることはなかった。スロープグライダーや電動グライダー、エアロトーイングなど一通りのフライトをこなせるようになり、機体の破損率も少なくなってきたところで、かねてから憧れのこの機体を手に入れたくなった。
調べてみると現在国内で入手可能と思われるFOXのモデルには以下のものがある。
1)カシオペア製mini-FOX スパン1200mm フィルム張り仕上げ済み準完成
2)カシオペア製 スパン2100mm バルサキットまたはフィルム張り仕上げ済み準完成
3)modelstudio製トップモデル取り扱い スパン2550mm 発泡コア アベチ張りフィルム仕上げ
4)アルバモデル取り扱い スパン3500mm ,バルサシャーレ
5)Bruckmannモデル製T.S.flying club取り扱い 4000mm, GFKシャーレ
6)windrider製 エアクラフト取り扱い 1600mm, EPP翼
7)チェコGerasis model 製 2200mm, シャーレ
他にGraupnerブランドで3mのシャーレ機があるのを確認しているが、これは日本では入手困難なようだ。3mでも実機のスパンが14mなのでスケール1/4.7となり、かなり巨大である。4mになると収納場所がない。結局、1)3)を入手した。
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1)はまぁお遊び用である。スロープでも良く飛ぶそうだが、1.2mでは小さすぎてあまり遠くまで飛ばすことはできないだろう。元々電動化できるようになっているので、電動化して平地で遊ぶのが正解。以前のモデルは機体が軟質プラスチックで出来ていて外観がイマイチだったが、現在はグラス機体のバージョンが出ている。
3)はスロープには丁度良い大きさか。と思い購入したが、スロープに出かける事もままならない状況になってきたので平地でも楽しめるよう、電動化することにした。

さて、スケールグライダーを電動化する場合、プロペラの搭載位置は二通りある。
A案:ノーズを切り落とし、折りペラおよびスピナーを取り付ける。手軽だが、美しいノーズのライン造形を損なうことになるし、プロペラが地面に当たるため滑走離陸するにはドーリーが必要になる。
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B案:主翼上背面にリュックサックを背負うようにプロペラユニットを取り付ける。写真は機体背面に穴を開けてユニットをネジ止めするようになったタイプだ。簡単に取り外せるのでスロープで無動力飛行をする場合は外観を損なうこともないし、タイヤがあれば滑走離陸することも出来る。一部の実機であるように電動で機体内に収納出来るようにしたモノもあるが、高価である。

迷ったあげく、A案にした・・・しかしやはり気になるのはこの美しいノーズライン。
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おっと違った
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やはりこの美しいノーズをノコギリで切断するのは忍びない・・・・
同じ考えの方は多く、ノーズの尖端に穴を開け、そこから出したモーターシャフトにプロペラハブだけを装着する方法がある。プロペラが必要ない状況ではハブを外せば尖端にシャフトがチョット突出しているだけで外観は保たれる。カシオペアというメーカーからは自社の2.1m機体用に改造キットを発売している。
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このキットを購入しようか迷ったのだが、2.55mの機体には少し非力かもしれないという不安があったため、これを真似て自作することにした。
ハイペリオンのアウターローターモーターを利用したが、5mmのロングシャフトは無かったのでタミヤのRCカー用ユニバーサルジョイント付きシャフトを接続。モーターマウントの前に2枚の隔壁をつくりそれぞれにシャフトベアリングを装着。シャフト尖端に取り付けるハブはサーマル工房製ステルスハブを購入した。
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ノーズの尖端からわずかにシャフトが突出している。これならほとんど目立たない。
ダブルベアリングとユニバーサルジョイントのおかげでスムーズに回転し、心配した振動や共振は認められなかった。
1回目の試験飛行はM氏のRC飛行場で行った。M氏に手投げ発航してもらったのだが、充分な上昇力、極端な頭あげもなく、適当に設定したダウンスラストも適切であったことが判った。ただ、上昇を終えて一旦モーターストップした後、モーターを再起動してもプロペラが回らなくなってしまった。滑空で無事着陸し、内部を開けてみたところ、ユニバーサルジョイント部の締め付けが不十分で緩んでしまい、シャフトが空転していた。シャフトの面取りをして充分に締め付けることにして、この日の試験飛行は終了となった。
その後、本当はスロープで飛行テストを行いたかったのだが、なかなか機会が無く、その間サーマル工房で紹介しているものを参考に滑走離陸用ドーリーを製作した。
ドーリーが完成し、さらにこの頃プロポを2.4Gのものに買い換えたこともあり、どうしても飛ばしてみたくなった。よせばいいのに普段飛ばし慣れた場所ではなく、埠頭の空き地で試験飛行を強行してしまった。ドーリーに載せて、発航!10mくらいの滑走で軽々と離陸は成功した。が、どうもギクシャクする。プロポの変更に伴い、舵角の調整を怠ったためだ。エルロン、エレベーターとも敏感過ぎる。ほどなく急激な頭あげ→翼端失速→錐もみという最悪のパターンとなり、FOXは無人の埠頭倉庫群の影に消えてしまった。回収に行くと警備員が「ここは輸出用の資材を保管する倉庫だから、外国と同じで立ち入りはできないんだが・・・」と言いつつも、事情を話すと入れてくれた。墜落地点に行くと、これまでの中で製作に最も手間をかけたこの機体はアスファルトの地面に叩きつけられ無惨にバラバラになっていた。かなり凹んだが、機体を失ったことより人に当たらずにすんだことにホッとした。日曜で警備員くらいしか人がいなかったのが不幸中の幸いだったのだが、このように調整不十分な機体は絶対安全な場所で試験するべきだと肝に銘じた次第である。

回収した機体は修理不能なまでバラバラで、その後諦めきれずに
6)windrider製 エアクラフト取り扱い 1600mm, EPP翼
7)チェコGerasis model 製 2200mm, シャーレ
を購入したのであるが、いまのところ製作する余裕がない・・・
タグ:Fox RC
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