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SchienenBus: MAN VT26 / NWFBS300 / Brekina 64020/63020 [メルクリン/鉄道模型]

子供の頃、住んでいた町には路面電車があり、国鉄を「汽車」、路面電車を「電車」と呼んで区別していた。大学に進学し、路面電車の無いところから来た友人に「それは変」と言われてカルチャーショックを受けたものだ。「汽車」という呼び方は蒸気機関車時代の名残りであろうが、「汽」という文字は「蒸気」だけではなく多分中国では内燃機関一般のことを示すようだから、DD51などのディーゼル牽引もあった当時はあながち間違いではなかっただろう。そのうち「JR」が定着し、路面電車はなくなってしまったので区別の必要がなくなってしまった。関東や近畿の私鉄がたくさんあるところでは幼児も「○○電車」とか、それぞれの私鉄名で区別しているのだろうか。
鉄道模型をはじめて間もない頃、「機関車」と「気動車」の区別がよくわからなかった。「機関車」は動力牽引に特化した車両で、「気動車」は乗客が乗ることができ、動力機能も併せ持つ車両、ということで、普通の通勤電車や動力分散方式の新幹線、路面電車などもこれに含まれる。メルクリンの製品情報を見ると、「Powered rail car」の分類に入っている。
最初、「レールバス」は「路面電車」のことだと思っていた。メルクリン製のレールバスはいかにも路面電車風に見えるのだが、普通の軌道・プラットフォームを利用する立派な「気動車」である。路面電車は「Tram」と呼ばれ、ヨーロッパにも少なからずあるはずだが、なぜかメルクリンからは発売されていない。Tram専門の小さなメーカーはあるみたいだが・・・考えてみれば、Ctrackの上を路面電車が走行するのも違和感ありありだろうから、Tram用軌道まで開発する必要があるということだろうか。国内NゲージではKATOが路面電車専用軌道を発売している。
「レールバス」は、比較的少数の乗客輸送に供するため、高価な機関車牽引にのかわりに主に地方私鉄で開発・運用されたもで、日本における路面電車との共通点はあるように思う。
レールバスといえば、コレである。

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NWF BS300 Schi-Stra-Bus
そのまんまやないか!と思わず突っ込みを入れたくなるような車両だが、冗談ではなく実在した車両である。純粋なレールバスではなく、Schi(軌道)-Stra(道路)-Busと呼ばれる、いわゆるDual-Mode-Vehicle(DMV)である。普段はタイヤで通常の道路を走行し、道路事情が悪いなどの地域では専用の台車を結合してレールバスに変身、線路を走行する。8L6気筒ディーゼルエンジンで125馬力。線路走行時も台車を駆動する訳ではなく、後輪タイヤが線路上に接地するようになり、タイヤの駆動力で走行するらしい。

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こういうヘンな車両が大好きで、東京に行った際、某ミニカーショップで購入したのだが、その時2線仕様(63010)と3線仕様(63020)の両方が置いてあった。3線仕様にはセンターシューとデジタルデコーダーが装着されており、アナログ2線仕様との価格差をケチって2線式を購入し手持ちのデコーダを装着することにした。ボディを外してみると思った通り、8ピンのデコーダソケットが装着済みである。

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シューとデコーダを装着し試走したところ、R1カーブで止まってしまった。あわててメーカーの仕様書を確認してみると、3線仕様は最小カーブR360に対し、2線仕様はR430となっている。
わざわざシャーシを作り替えるとも思えないが・・・・と納得いかないまま、対策を練るためしばらくお預けとなった。その後、某LokshopにBrekinaのスペアパーツとしてBS300用のセンターシュー付き台車があることに気づき、これを注文することにしたのだが、2線式と3線式のシャーシに違いがあるのかどうかも興味があったので、えい、とばかりに3線仕様ももう1両ポチってしまったのである。

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模型はダイキャストシャーシにプラスチックのボディがはめ込んである構造で、実車と違い、後方の台車が駆動する仕組み。128€。

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3線式と2線式に外観上の違いは無く、R1カーブで止まってしまったのは集電不良だったようだ。3線改造した際、センターシューを取り付けただけで、レール給電は片輪だけにしていたため、カーブで給電側の車輪が接触不良になったものと思われる。

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3線式の集電シュー。

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後ろの台車の一軸のみ駆動、ゴムタイヤがはめ込まれている。

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NWFはNordwestdeutscher Fahrzeugbau (North West German Vehicle)のことらしい。1950年代から1967年にかけて、約50両くらいが製造、運用されたらしいが、運用には問題点も多く、実際にDMVとして運用されたのは15両くらいらしい。


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MAN VT26
前述のさわぎでBrekinaのホームページをチェックしていたら見つけた。
トラックで有名なMAN社が1955-69年にかけて、60両製造された。39両が動力車で、その他は連結用無動力客車だったらしい。ほとんどが私鉄に運用され、様々な形式名と塗装パターンがあるが、元をただせば同じ車種のようだ。ドイツ国鉄にも乗り入れていたらしい。結局メルクリン製と外観はあまり変わりない車種だが、ミニカーメーカーのBrekinaが初めて作った本格的なレールバスということで、興味もあって購入したのである。

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立派なパッケージ入り。

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シャーシはダイキャスト製でボディはプラ。
室内灯と前照灯・赤色尾灯が点灯する。3線デジタル仕様で、MM2/DCC互換マルチプロトコルデコーダ装着済み。室内灯もファンクションでon/off出来る。サウンドはなし。価格は120€だった。

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二軸駆動、ダブルシューとなっている。


先日、所用で佐賀県唐津市に行った時、こんな車両を見つけた。
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唐津線もかなりのローカル線であるが、これはそのまた支線の伊万里線に運用されている車両。ディーゼル気動車で、1両編成。JRらしからぬイエローのキュートな塗装。形式名は「キハ125形」で、Y-DC125とレタリングされているが、これは「Yellow One-Man Diesel Car」の略だそうだ。これなどは日本のレールバスと呼んでも良いのではないだろうか。




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