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はやいぞ新幹線、或いはKruckenberg's Schienenzeppelin/ Marklin 3477 [メルクリン/鉄道模型]

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Kruckenbergというと、胃癌が卵巣に転移することを発見した学者の名前で、Kruckenberg's tumor(腫瘍)とは非常に進行した癌を意味するのだが、当のKruckenberg氏も自分の名前が後世にそのような不吉な事象を連想されることになるとは、少々心外かもしれない・・・
彼とは全く無関係(と思うが)のFranz Krukenberg という技術者がいて、ヘンなものを発明した。それがレールツェッペリン、ドイツ語でSchenenzeppelinである。なんと鉄道車両に航空機用エンジンとプロペラを取り付け推力を得ようと考えたのだ。彼はもともと航空技術者で、レールツェッペリンの設計も航空機の空力学的手法を取り入れて行われた結果、他に類を見ない車両が1930年秋に完成した。以下wikiより;
レールツェッペリンは全長は25.85 メートル、全高は2.8 メートルで二軸車であり、ホイールベースは19.6 メートルであった。製造当初は600馬力のBMW VI型12気筒航空機用エンジンを備え、セイヨウトネリコの木で作られた固定ピッチの4枚羽のプロペラ(後に2枚羽になった)を駆動していた。駆動軸は水平より7度上に傾けられていて、車両を下向きに押し付ける推力を得ていた。
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1931年6月21日、レールツェッペリンは230 km/hを達成し、世界の鉄道の高速記録を達成。この記録は1954年まで更新されなかったばかりか、今でもなおガソリン推進式の鉄道車両としては最高速度記録を保持している。
さて、この当時世界一チィィィィ!のドイツ鉄道技術の最先端を突き抜けてしまったレールツェッペリン、メルクリンは古くから1番、O、HO、Zの各スケールで模型化している。最近HOのものを手に入れたので紹介したい。
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購入したのは米国の中古・デッドストック専門のショップModellbahn Collectorsで、特にレールツェッペリンの在庫を大量に持っているらしく、ショップのシンボルマークもごらんの通りである。メルクリン製HOのレールツェッペリンは、1975年頃に品番3077が、1995年頃にデルタ仕様にマイナーチェンジした品番3477が発売されている。
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新品とはいえさすがに15年前のパッケージは退色が見られる。60yahre HOとあるが、HOゲージ発売60周年ということだろうか。
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う〜む・・・まさしく新幹線・・・・
本体はプラスチック製で色はプラチナのようなシルバー、季節柄クリスマスデコレーションなどが似合いそう。傷や曇りもなく保存状態は良い。プロペラもシルバーの2枚ペラである。3077は赤い4枚ペラだったようだ。
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最初レールに乗せたとき、いきなり暴走した。ボディはネジ2本で簡単に外せるので開けてみるとデルタ基板があり、ディップスイッチの設定がされていなかった。デルタ基板はディップスイッチによって4種のデジタルアドレスを設定できるので、Railcarを示す74番に設定し、問題なく動作するようになった。ちなみにデルタ基板はそのままでアナログ環境でも使用できるとのこと。
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モーターは前の方にあり、前側の2軸台車を駆動する。後ろ側の2軸台車は駆動されない。車体後ろ側にはプロペラ駆動用に別のモーターがある。車体の前半分には座席の内装が再現されている。後ろ半分は座席・内装はなく、窓も雨戸のように閉め切られている。実車の写真でも後ろ半分は窓がないので、このスペースに機関室があるのだろう。大きな空きスペースなのでLoksoundなんかも簡単に載せられそう・・・
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プロペラ周辺の流麗なライン。後ろから見ても美しい造形である。
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ヘッドライトは、モーターの回路と連動のようで、ライトスイッチで制御出来ず、停止中は消灯、速度を上げると明るくなる。これは何とかしたい。
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実物は2軸車だったのだが、このモデルは前後に2軸の台車があり計4軸になっている。急カーブでの走行性能を保つためにデフォルメされたようだ。全長もショートスケールになっているらしい。

このレールツェッペリンは、ちょっと考えればわかりそうなものだが、速度は出るものの構造上他の車両を牽引できない、輸送能力が低すぎる、駅の構内で巨大なプロペラをブン回すのはキケン、などの理由で1両の試作のみに終わった。しかしKruckenberg氏はその後、SVT137や VT10.5"Senator"などの高速気動車(いずれもメルクリンから模型化されている)を開発し成功を収めているので、レールツェッペリンは最初から実用に供するつもりはなく、高速鉄道の実証実験機として考えていたのではないだろうか。


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